何かが車のボディにぶつかると、まるで頬にできる「えくぼ」のような凹みができることがあります。
このえくぼ、整備工場で修理を行ってもらうと修理費用が高そうと感じますよね。
そこでDIYで修理してみようとする人もいるでしょう。
車のえくぼの修理はどのようにしたらよいのか、またその際の注意点についてまとめました。
目次
修理前に行うこと
えくぼの修理を行う前に、まずは車の洗車作業を行います。
砂やほこりが付いている状態で修理を行うと、擦れて傷ができてしまいます。
またえくぼがどのような状態なのかを確認するためにも、しっかりと洗車しておきます。
次にえくぼの状態を確認しましょう。
えくぼ自体が大きなものの場合、DIYでの作業だと凹凸ができてしまいきれいに仕上げることは困難です。
だいたい10cm以上の凹みが確認できる場合には、整備工場に相談しましょう。
DIYでのえくぼ修理で準備すべきもの
えくぼの修理をDIYで行う場合に準備すべきものは以下の通りです。
ヒートガン
金属でできているボディを加熱し作業しやすくするための道具です。
金属は熱を加えると柔らかくなる性質があります。
ドライヤーでも代用できますが、ドライヤーはヒートガンに比べ低温なので30分以上充て続ける必要があります。
ヒートガンは400度くらいの熱風を発生させボディを温めるので、短時間で済みます。
価格は2,000~8,000円ほどです。
革手袋
ヒートガンで加熱したボディは高温になります。
素手で作業を行うとやけどの危険があるため、革手袋があると安心です。
軍手でも代用できますが、綿素材のものを利用するようにします。
滑り止めなどでゴム素材が付いているものだと、ゴムが溶ける心配があります。
また化繊の手袋も避けましょう。
コールドスプレー
瞬間的に冷やせるスプレーです。
超低温の冷気を噴射することで、ヒートガンで温めたボディを瞬時に冷まします。
価格は500~800円ほどです。
吸盤セット(デントリペアツール)
えくぼを引っ張って修理するための道具です。
セットであれば吸盤を使ったえくぼの修理に必要なものが揃っています。
価格は1,500~2,000円ほどです。
板金用ハンマー
板金加工を施すためのハンマーです。
一般的な金槌とは異なり、打面が柔らかくなっています。
低価格なものなら2,000~5,000円ほどです。
ほかに洗車用具も必要です。
修理方法① 金属の特性を使った方法
小さなえくぼの場合には、金属の特性を使った方法で簡単に修理が済むケースがあります。
金属は加熱後急激に冷やすと、元に戻ろうとする性質を持っています。
そこで、ヒートガンでえくぼの部分を加熱後にコールドスプレーを吹きかけるという作業を行います。
この作業を数度繰り返すことで、えくぼがきれいに均されることがあります。
修理方法② 吸盤を使った方法
ヒートガンでえくぼの部分を温めた後に、吸盤セットを利用して凹み部分を引っ張り出します。
作業の際ボディが加熱され非常に高温となるため、革手袋をしてやけどしないように注意しながら作業を行います。
1回で引っ張り出そうとせずに、数回に分けて作業を行うようにします。
吸盤で引っ張るときには、その都度ヒートガンで温めてから行うようにすると作業しやすくなります。
修理方法③ 板金ハンマーを使う方法
えくぼの裏側から板金ハンマーを使って打ち出し平らに均す方法です。
整備工場の板金修理でも行われる方法です。
一気に打ち出すのではなく、少しずつ打ち出すのが上手くいくコツとなります。
力強く打ち出してしまうとボディが凸凹になってしまいます。
力加減が難しいため、DIYでの作業では難易度が高い方法となります。
失敗すると余計な凸凹が増える
DIYでもえくぼの修理はできますが、力加減を誤ったり、作業が上手くいかなかったりすると余計な凸凹ができることも。
結果的に整備工場に相談をして余計な出費が出てしまう危険性があります。
また、ヒートガンで必要以上に加熱してしまうと、塗装面が劣化する心配があります。
塗装面の劣化を起こすことなく作業ができても、えくぼの縁に凹んだ跡ができることもあり、えくぼがあったことが隠せないこともあります。
ドアなどの場合は内部に配線なども通っているため、過度に熱を加えると内部のパーツに影響が出る危険性があります。
表面上はえくぼの修理ができたと感じても、内部の損傷には築けず理由が分からないトラブルが起こる可能性があるので要注意です。
餅は餅屋!えくぼ修理は整備工場に任せよう
ヒートガンやコールドスプレーを使った作業であれば、大きな手間はかからないかもしれません。
しかし、技術力がないと、えくぼの縁は残りやすいです。
その他の方法も、慣れていないと難しい作業になります。
慎重な作業が求められますし、手間もかかります。
整備工場でのえくぼの修理は費用が必要ですが、プロによる確実な修理となるため仕上がりもきれいです。
板金作業は技術力が必要な作業なので、下手にDIYで凸凹をひどくしてしまうよりは、プロに修理をしてもらう方が確実できれいな修理が可能になります。
まとめ
今はインターネットでもえくぼをDIYで修理する方法が調べられ、簡単に行えそうに感じます。
ですが実際にはえくぼ修理は技術力が必要な作業の1つです。
プロにお任せする方が手間はかからず、しかもキレイに仕上がります。
DIYで凹みを悪化させたり余計な傷を増やしたりする前に、プロのお任せしましょう。