同じ車に何年もずっと乗っていると、いつの間にか発生してしまうのが「錆」です。
車が錆びる原因にはさまざまなものがありますが「ちょっとくらいの錆なら放っておいてもよいのでは?」と思ってしまいますよね。
今回は、車の錆は修理が必要なのか、放置した場合の問題点や修理方法などを解説していきます。
車に錆が発生する原因とは?
錆とは、一般的に鉄が酸化したことをいいます。
そもそも、なぜ車に錆が発生するのでしょうか。
錆は鉄である車体に水分が付着し、空気中の酸素と反応することで鉄の表面がイオン化して生じるものです。
購入したての頃は塗装で表面がコーティングされているため、錆びにくい状態になっています。
しかしながら、車を運転するうちに塗装が剥がれたり傷が付いたりしてボディが露出し、錆が発生してしまうのです。
例えば、車をぶつけてしまう、あるいはガードレールや壁と接触することは、塗装が剥げる原因になります。
走行しているだけでも飛び石や鉄粉などが触れて、細かい傷が付きます。
傷が付いた箇所をそのままにしておくと、塗装が剥がれて錆に進行する可能性があるでしょう。
また、鉄は塩分が付着することで錆びやすくなります。
海沿いの地域では、塩害によって車が錆びてしまうことは珍しくありません。
同じ理由から、雪道に使用されている凍結防止のための融雪剤も錆の原因になります。
成分である塩化ナトリウムや塩化カルシウムが鉄や酸素と反応するからです。
車の錆を放置しておくことのリスクとは?
塗装面の劣化は紫外線でも起こります。
どんなに大切に乗っていても、環境による塗装の剥がれを完全に防ぐことは難しいです。
特に、車の下回りは気が付かないうちに錆び付いていることが多く、時間が経つにつれて目に見えない部分にまで広がっていきます。
塗装が剥がれて車の鋼板が露出すると、たった数時間で錆びてしまうと言われています。
美観を損ねるだけでなく、内部を腐食させてエンジン部分の故障に繋がる恐れもあるのです。
最悪の場合、故障による大きな事故が発生する可能性があるため、車の錆は放置しておかず早急に修理することが望まれます。
車の錆を修理する方法
車の錆が広範囲に及ばないうちに、メンテナンスを行うことが重要です。
錆を発見したらすぐに取り除くことをお奨めします。
というのも、車の錆は範囲が広ければ広いほど修理費用が高額になってしまうからです。
ここでは、車の錆の修理方法をDIYの場合とプロの場合に分けてご説明します。
車の錆を修理する方法(DIY編)
ごく狭い範囲の錆であれば、自分で落とすことも可能です。
≪必要な道具≫
・錆落とし剤
・サンドペーパー
・パーツクリーナー
・タッチアップペイント(車のボディカラーに合ったもの)
・雑巾やティッシュペーパー
道具を揃えたら、以下の手順で錆を落としていきます。
1.錆の部分に錆落とし剤を塗布して5~10分待つ
2.錆落とし剤を雑巾などで拭き取り、サンドペーパーで錆を剥がす
3.パーツクリーナーを吹きかけて拭き取り、塗装面の油分を落とす
4.タッチアップペイントで塗装する
この方法は、傷が深い場合や錆が塗装の内側に入り込んでいる場合などには対応できません。
あくまでも応急処置と考え、最終的にはプロに依頼しましょう。
車の錆を修理する方法(プロ編)
車の錆の修理をプロの業者に頼んだ場合、表面の錆だけでなく塗装までしっかりと仕上げることができます。
新車の塗装は表面に近い方から「クリア塗装」「上塗り塗装」「中塗り塗装」「下塗り塗装」の4つの構造から成っており、車種によってはそれぞれの構造で塗り重ねなどが施されていることもあるのです。
そのため、これらすべてをDIYで修復するには高度な技術と知識を要します。
プロの修理であれば、錆落としや塗装だけでなく、傷やへこみなどを元の形状に戻す「板金」の作業も任せることが可能です。
板金をプロに依頼する場合の費用相場は以下の通りです。
・傷(ハガキ大サイズ) 8,000円~
・へこみ(ハガキ大サイズ) 16,000円~
塗装をプロに依頼する場合の費用相場は、バンパー半分程度で15,000円~、バンパーすべての塗装で35,000円~、ドア1枚で50,000円となります。
車の錆から穴が開いてしまった時は?
車の錆を放置しておくと、ボディに穴が開いてしまうこともあります。
早急にプロの業者に修理を依頼するのが望ましいのですが、すぐに対応できない場合などで応急処置をしなければならない場合、DIYで錆穴を修復することも可能です。
≪必要な道具≫
・硬化剤入りのパテ(400g~)
・段ボール
・ヘラ
・厚紙
・マスキングテープ
・手袋
1.段ボールを15×30㎝程度に切り、厚紙を敷く
2.紙の4方をマスキングテープで貼って固定する
3.ヘラを使い、硬化剤が混ざるようにパテをこねる
4.ボディの傷やへこみ、穴に沿って山になるようにパテを盛る
5.乾いて縮んだらさらに盛る
※パテを塗る時は、2~3回に分けて薄く塗っていくのがコツです。
まとめ
愛車の寿命を縮めないためにも、錆は放置せず早めに修理すべきです。
車の錆を修理する方法はDIY、プロに依頼するという2通りがありますが、仕上がりや手間の観点から、自分で修理するのではなくプロ(板金塗装の専門店)に任せることをお奨めします。