車に頻繁にワックスをかけたりコーティングを施したりしていても、走行中の飛び石や洗車によって、細かい傷はどうしてもついてしまいます。
致命的な傷であれば、自分でどうにかしようとしないで業者に任せた方が賢明ですが、ここでは自分で愛車の傷を消す方法を紹介します。
目次
傷消し剤を利用しよう
何の道具も使用しないで車の傷を消すことは難しいですが、今ではカーショップやホームセンターに行けば、初心者でも簡単に傷を目立たなくできる商品がたくさん販売されています。
それらの商品の総称を「傷消し剤」と呼びますが、まずは傷消し剤を使用するメリットとデメリットを説明します。
傷消し剤のメリット
傷消し剤の最大のメリットは、業者に傷の修理を依頼するよりも大幅にコストを抑えられることです。
業者だとどんなに微細な傷でも数千円~数万円はかかりますが、最近では多くの種類の傷消し剤が売られていて、数百円で手に入るものもたくさんあります。
いずれの商品にも取り扱い方法が明記されていて、その手順通りに行えば初めての方でも簡単に作業を行うことができます。
傷消し剤の中には傷を目立たなくするだけではなく、車のボディの水垢除去効果や撥水効果をもつ商品もあるので、傷の修理とメンテナンスが同時にできる点もメリットのひとつです。
傷消し剤のデメリット
傷消し剤にはたくさんの種類があることから、選択は自分で行わなければいけません。
カーショップやホームセンターの店員にアドバイスをもらうことはできますが、あくまでも最終判断は自身ですることになります。
次項でも紹介しますが、傷の状態によっては複数の傷消し剤を組み合わせた方がいいケースもあります。
そうなると初心者では作業が困難になる点もデメリットとして挙げられます。
傷消し剤の種類
市販されている傷消し剤には「コンパウンド」「ワックス」「タッチペン」「スプレー」「パテ」「クロス」「シール」などがあります。
それぞれに特徴があって、効果にも補修方法にも違いがあります。
コンパウンド
コンパウンドは、傷を研磨して目立たせなくするタイプの傷消し剤です。
液体やチューブ状やショートタイプがあって、粒子の粗さが異なり、傷の深さや状態によって使い分けます。
ワックス
ワックスは、表面をコーティングすることで傷を目立たなくさせるタイプの傷消し剤です。
固形タイプと半練りタイプがある他、クロスにワックス成分が含まれているシートタイプも販売されています。
基本的に固形タイプには研磨剤であるコンパウンドが含まれていなくて、ワックス成分で埋めることで傷を隠します。
これに対して半練りタイプには研磨剤が含まれていて、コンパウンド効果で傷を目立たなくしたうえに、ワックス効果で艶を出して車をキレイに見せることができます。
タッチペン
タッチペンは、塗装が剥がれた部分を塗って埋めるタイプの傷消し剤です。
ペン先や刷毛により、塗装が剥がれた部分にピーポイントで塗って傷を隠します。
スプレー
スプレーは、塗料で傷を隠すタイプの傷消し剤です。
車体と同じ色を選択してスプレーをするだけなので、研磨効果も埋め込む効果も得られません。
パテ
パテは、凹みを埋めて平らにするタイプの傷消し剤です。
肉盛りタイプでペースト状が多いですが、粘土タイプやマイクロバルーン配合の軽量タイプなど、いろいろなタイプがラインナップされています。
クロス
クロスは、拭くことで傷を目立たせなくするタイプの傷消し剤です。
クロスには研磨剤や潤滑剤などが染み込んでいて、繰り返し使用することができます。
シール
シールは、貼ることで傷を隠すタイプの傷消し剤です。
車体と同じ色のシールを傷に貼るだけなので、初めての方でも簡単です。
傷消し剤の選び方
車の傷の状態や箇所別に、最適な傷消し剤の選び方を紹介します。
微細な傷にはワックス
車のボンネットなどについて微細な傷を目立たなくさせるなら、ワックスがおすすめです。
ワックスは伸びがいいので、広範囲な傷には対応できます。
浅い引っかき傷にはコンパウンド
引っかき傷にはコンパウンドがおすすめで、キレイに傷を隠すコツとしては段階的に粒子の細かいタイプに代えて研磨をしていくことです。
広範囲にわたるスリ傷にはスプレー
深くない広範囲にわたるスリ傷には、スプレーの使用をおすすめします。
重ね塗りをすることにより、自然に仕上げることができます。
塗装剥がれにはタッチペン
ワンポイントの塗装剥がれには、タッチペンがおすすめです。
ペン先や刷毛で叩くように塗り込んでください。
下処理で錆落としをすれば効果を持続させやすくなります。
車の深い傷は傷消し剤の組み合わせで
バンパーなどについた深い傷には、コンパウンドやタッチペンやパテなどを組み合わせることによって、完全ではありませんが傷を目立たせなくすることができます。
無理はしないで業者に任せよう
車の浅い傷であれば、市販の傷消し剤を使用すれば初心者でも簡単にセルフで補修することができます。
ただし、比較的大きな傷や凹みの場合は、傷消し剤を使用することでかえって傷を目立たせてしまうケースもあります。
たとえ細かい傷だとしても、状態や傷がついている箇所や傷消し剤の種類によっては取り扱いが難しく、きちんと使用できたとしても完璧には元通りにならないことの方が多いです。
したがって、自分で傷消し剤を使用することに少しでも不安がある方や、修理に完璧を求める場合は、迷わずプロの業者に任せることをおすすめします。