どんなに自分が交通ルールをしっかり守り毎日慎重に運転をしていても、長く車を運転していれば誰でも何度もハッとする瞬間を体験しているものです。
そして、多くの方が何かかしらのトラブルを起こしたり、大きな事故に遭遇したりしています。
人身事故を起こした場合は、必ずその場に留まり警察に連絡しなければいけませんが、周りに誰もいない時に物損事故を起こした場合、どうしたらいいのでしょうか?
ここでは、駐車場で他の車に車をぶつけた時や、走行中に他人の家の塀などを傷つけてしまった際の、正しい対処法について解説しています。
併せて、車をぶつけた場合の保険や、修理か乗り換えの判断についても紹介します。
目次
車をぶつけた時の対処法
日頃から十分な注意を払って冷静に運転をしている方でも、走行中に車をぶつけた時には気が動転してパニック状態に陥るものです。
したがって、車をぶつけてしまった際には、まずは心を落ち着かせて冷静になることに努めてください。
冷静になったら、最初に周りに事故に巻き込んでしまった人がいないかを確認します。
もし怪我をした人がいれば、すぐに119番に連絡をしてください。
完全な物損事故の場合は、周囲の安全を確認して必要に応じて車を移動させてください。
駐車場などで他の車にぶつけた場合で、相手と連絡がとれるのであれば、連絡先を交換します。
損傷箇所を確認して、可能であればお互いに合意のもとで損傷箇所を写真撮影しましょう。
他人の家の塀などを損傷させてしまった場合も、事故を起こしたことを伝えて同様の行動をとりましょう。
物損事故を起こした際の注意点
物損事故を起こした時には、冷静になって相手方と連絡をしっかりとる必要がありますが、どんな小さな事故でも必ず警察への通報をしなくてはいけません。
警察への通報は、相手がいない場合も必須で、ガードレールや電信柱などに車をぶつけた時でも通報すべき義務があります。
警察の通報を怠れば罪に問われる
もしも事故を起こしてその場を立ち去ってしまい、警察への通報を怠ったことが判明すれば「報告義務違反」になります。
2021年1月現在では「3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金」に科されることになりますので、気を付けましょう。
事故を起こして道路上などに車の破片などが散らばるなどして周辺に危険が発生した場合は、事故を起こした者には危険を除去する義務も加わります。
その義務も怠り、警察への連絡もしないでその場を立ち去った場合は、「危険防止措置義務違反」となり、「1年以下の懲役または10万円以下の罰金」が科されます。
加えて、「安全運転義務違反」と「危険防止措置義務違反」で、合計7点の違反点数が付加され、最低でも30日間の免許停止処分を受けることになります。
警察に連絡しないと自動車保険が適用にならない
車をぶつけた場合の保険については次項で詳しく説明しますが、自動車保険を適用させるためには「事故証明書」を発行してもらう必要があります。
それを発行できるのは警察であることから、どんなに小さな事故であっても、状況に関わらず車をぶつけたら必ず警察へ通報してください。
車をぶつけた場合の保険について
車を所有して運転するには自賠責保険への加入が義務付けられていますが、これは対人賠償のみの保険であることから、物損事故は対象外となっています。
「駐車場で車をぶつけた」「他人の家の塀やガードレールなどに衝突した」という場合、補償を受けるためには、任意の自動車保険へ加入していなければいけません。
任意の自動車保険に加入すれば、基本的には対人賠償の他にも対物賠償がカバーされます。
補償も無制限に設定できるため、万一運転中に自分の過失で事故を起こした時でも安心です。
任意の保険に加入していると、被害者がいた場合の対応や交渉も保険会社が代行してくれます。
精神的な面も含めて負担を大きく減少させることができますよ。
車両保険に加入していれば、事故により自分の車が傷ついた場合も修理費を保険でカバーすることができます。
保険を利用する時注意点
自動車保険の種類にもよりますが、自分が起こした事故により保険を利用し保険金を受けとった場合は、翌年度の等級が下がって保険料がアップしてしまうことがあります。
車両保険を利用して、自分の車の修理費を無料にすることもできますが、小さな傷の場合は修理費よりも翌年の保険料の負担が大きくなってしまうことも考えられます。
利用については慎重に考えましょう。
修理か乗り換えの判断はプロに委ねよう
車をぶつけてしまった場合、わずかな傷であれば気にせずそのままの状態で車に乗り続ける方が多いのが現実です。
しかし、車が大きなダメージを受けた場合は、修理をすべきか乗り換えをすべきか迷うケースも多くみられます。
車のボディやタイヤ周りに小さな凹みや傷ができた程度であれば、市販の補修ペンなどを利用してセルフでも見た目で分からないくらいに修理することは可能です。
ただし、小さな傷でも塗装が剥げている場合は、そこから錆が広がってしまうので、自分で対処できない場合はプロに修理を依頼することをおすすめします。
エンジンや車の骨格であるフレームに損傷が加わった可能性がある場合は、見た目だけで判断しないで、乗り換えを選択した方がいい場合があります。
小さな傷でも大きなダメージを受けた場合でも、自分の判断に少しでも迷いがあるなら、自動車板金業者やカーディーラーなどのプロに判断を委ねましょう。