車のひっかき傷を修理するには?修理代はどれくらい?

  1. 車修理

車に乗っていると、いつの間にか擦れたようなひっかき傷はできてしまいます。
服が車の車体に擦れるだけでも傷はできますし、走行中は舞い上がる砂埃などでも傷がついてしまいます。
ドアの開閉時には爪が当たり傷になることもあります。

このようなひっかき傷を全て修理工場で修繕する必要はありません。
傷の程度によってはDIYでも修理は可能ですが、状態によってはプロに任せた方がよい場合も。
今回は、ひっかき傷の修理・修理代について解説します。

表面の塗装が削れている程度ならDIYでOK

車の塗装は、金属の板の上に数種類の塗料を重ねて塗って仕上げていきます。
そのため、表面の塗装だけが削られているような浅いひっかき傷であれば、修理工場に持ち込んで修理を依頼しなくても、DIYで修理できます。
よく見れば傷がついていると感じるものや、爪が当たってしまってできたような傷なら、カー用品店に行ってメンテナンス用品を買いそろえることで対応できます。

DIYで行うひっかき傷の修理で、必要なグッズとおおよその価格についてまとめました。

・車用シャンプー:500~3000円
・コンパウンド:500~2000円
・タッチアップペン:600~2000円
・シリコンオフスプレー:500~2000円
・耐水ペーパー:350~500円

DIYで行うひっかき傷修理の手順

ひっかき傷の修理をDIYで行う時の手順を紹介します。

1、洗車をして車の汚れを落とす

車についた埃や汚れ、油分などをキレイに洗い流します。
埃や汚れは水洗いでも取り除けますが、鉄粉や油分が付着している時には水だけでは洗い流せないことがあるため、車用シャンプーを使い洗車を行います。

洗車後は水分を取り除きますが、この時に硬い布を使うと傷だらけになりますので、柔らかい拭き上げ用のセームなどを利用するとよいでしょう。
拭き取るというよりは、水分を吸いあげるイメージで車体に傷がつかないように仕上げます。

2、コンパウンドで磨く

クリア塗装面だけが削られているようなかなり浅い傷の場合は、コンパウンドで磨くだけで傷は目立たなくなります。
コンパウンドは粗目、中目、細目と徐々に細かいものに変えていく必要があります。
そのたびに使うスポンジやウエスは取り換えるようにしましょう。

コンパウンドで磨く時は、傷に沿うようにまっすぐに使用するのがポイントです。
コンパウンドは傷を埋めるものではなく、傷の周りを磨くことで傷を目立たなくするものです。
力を込めて磨くのではなく、優しくなでるように磨いていく必要があります。
細かい粒子のコンパウンドに変えていくことで、徐々に艶が出てきますよ。
艶が出てきたら丁寧にコンパウンドを拭き取ります。
この時点で傷が目立たなくなっていれば作業は終了です。

3、油分を取り除く

コンパウンドで磨いただけでは消えない傷は、さらなる補修を行っていきます。
次の工程で使うタッチアップペンは、油分が残った部分に塗ると馴染みが悪くなるため、事前に脱脂を行う必要があります。
シリコンオフスプレーをスプレーした後、車体に傷をつないような柔らかい布で拭き取ることで油分が取り除けます。

4、タッチアップペンで補修を行う

クリア塗装面だけではなく、車のカラー塗装が削られている場合には、塗装色に合ったタッチアップペンを使い補修を行います。
車のカラーは運転席側のドアや、エンジンルームなどにある型式プレートを見ると分かります。
車のメーカーが販売している純正のタッチアップペンなら、ほぼ同一の色が手に入りますが価格は高めです。
カーショップで販売されているタッチアップペンは多少色味が異なる場合もありますが、低価格で購入可能です。
タッチアップを行いたい傷の周りをマスキングテープなどで養生をして、余計な部分にタッチアップペンの色がつかないようにしましょう。

少しずつ色を乗せていくのがポイントです。
タッチアップペンが乾いたら、マスキングテープを外します。
おおむね1週間程度はそのまま自然乾燥をさせます。

5、耐水ペーパーで磨く

タッチアップペンでの補修から1週間程度したら、再び傷部分の周りにマスキングテープを貼ります。
この時、数枚重ね貼りを行います。

耐水ペーパーでマスキングテープの上から磨き、段差が気にならなくなったら重ねて貼ったマスキングテープを1枚はがし、再び耐水ペーパーで磨きます。この作業を繰り返し、マスキングテープが最後の1枚になるまで行います。

6、再度コンパウンドで磨く

最後の1枚のマスキングテープをはがした後に、再度目の細かいコンパウンドで磨くと、タッチアップペンで補修をした跡が分からなくなるくらいキレイになります。

下地や金属の板が見える時はプロに任せよう

クリア塗装面や車のカラー塗装の部分が削られる程度の浅い傷ならDIYは可能です。
しかし、明らかに下地が見えている場合や、金属の板が見えるほど深い傷が入ってしまった場合には、さび止めやパテ盛りなどの作業が必要となるので、プロに任せた方が安心です。

プロが行うひっかき傷の修理工程

下地や金属の板が見えるような深い傷の修繕では、まず修繕部分を洗浄した後、傷の深さや大きさを確認し、傷部分の塗装を剥離し傷を埋めるパテ盛りを行います。
パテが乾いたら研磨し、傷をならしてから下地塗装を行います。
車の塗装色に合わせた塗料を調合し車体色を塗り、さらにクリア塗装を施し、最後にコンパウンドで磨き上げるという工程で傷を消していきます。

浅い傷なら即日の修理が可能

比較的浅い傷であれば、修理工場の混み具合にもよりますが、即日の修理も可能です。
ただし板金も必要といった比較的傷が深い場合には、2~3日程度修理期間が必要な場合があります。

また傷が浅くても、範囲が広い場合には時間がかかります。
傷の範囲が大きい分、補修をしたところが目立つため、より慎重な補修が必要です。
そのため、傷の範囲が大きければそれだけ費用もかさんできます。
傷の範囲が5㎝以下程度であれば8000円程度から修理が可能ですが、10cm以下なら15,000円程度、20㎝以下なら20,000円程度となっていきます。

まとめ

日常的な走行でできてしまうひっかき傷であれば、一度道具を揃えてしまえばいつでもDIYで補修ができます。
ただ、下地が見える時や金属の板が見える時は、さび止めなどの補修も必要なのでプロに任せた方がよいですね。
ひっかき傷の程度に合わせ、自分では修理が難しいと思う場合には、板金塗装の専門店に依頼をしてしっかりと補修をするのがおすすめです。

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