メタリック塗装とは?車の塗装の特徴について解説

  1. 板金塗装

車にはいろいろな色があり、塗装されている塗料の種類もそれぞれ異なります。
車の主な色として、白、黒、赤、青、黄色、茶色、ゴールド、シルバーなどがありますが、同じ色でも濃さも違えば太陽に照らされたときの輝きなどもまったく異なります。

ここではメタリック塗装を中心に、車の塗装や塗料の種類や特徴について詳しく調査し解説しています。
将来的に古い車の塗り替えなどを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

メタリック塗装とは

メタリック塗装はシルバー色の車に多く利用されていて、シルバーメタリックに代表される塗装色です。
車のメタリック塗装のメタリックというのは、微粒のアルミフレーク、つまりアルミの粉のことです。
カラー塗装の中にキラキラのフレークが入っている塗料であり、色以外のサイズにも様々な種類があります。

メタリック塗装の特徴は、太陽の光に反射してキラキラと輝く点で、一見メタリック塗装でないと思っても、太陽や電灯の下で見ればすぐに他の塗料との判別ができます。
メタリック塗装を施す際には、アルミの粉である金属片が酸化するので、その防止策として必ずクリア塗装が行われます。

その他の車の塗装の種類・特徴

車の塗装の種類には、メタリックの他に「ソリッド」と「パール」があります。
それぞれにまったく異なる特徴がありますので、車を塗り替えする際にはその点を十分に理解しておくことが重要です。

ソリッド塗装の特徴

ソリッドは単色とも呼ばれていて、白や黒や赤などの単一の色目を指します。
メタリック塗装のようにクリア塗装を施す必要もなく、補修しやすい特徴をもちます。
もちろん、耐久性を高めたり高級感をもたせたりする目的で、クリア塗装が施されている車も最近では多くなっています。

トップコートにクリア塗装がなされていれるものは2コート(ツーコート)と呼ばれ、単色と比較すると傷などのダメージを目立たせなくする効果ももちます。

パール塗装の特徴

メタリック塗装が塗料の中に微粒のアルミフレークが混ぜられているのに対して、塗料の中に雲母(マイカ)の粉を混ぜているのがパール塗装です。
メタリックよりも繊細で、上品な輝きを放つことが大きな特徴です。

パール塗装は半透明の膜が何重にも重なっていて、マイカの粉で塗装面が凸凹することから、クリア塗装が必須となっています。
そもそも、メタリックにしてもパールにしても、クリア塗装をすることを前提に製造されています。

車の塗料は2種類

車の塗装に使用される塗装は「メタリック」「ソリッド」「パール」の3種類ですが、塗料・染料は水性塗料とウレタン塗料の2種類に大別されます。

水性塗料とは

水性塗料は、シンナーなどの有機溶剤を必要としないか、その割合を大きく減らすことができることから、環境問題の観点からも多くの自動車メーカーで現在主流となっている塗料です。

しかし、水性塗料には耐久性に劣る、乾燥するまで時間がかかるなどのデメリットがある他、保管環境を整えることが求められたり、経年劣化の影響を受けやすい特徴も持ち合わせていたりします。

ウレタン塗料とは

その名の通りに、ウレタン系樹脂が主成分の塗料で、厳密には油性と水性に分けられます。
車の塗装には油性がほとんど使用され、耐久性に優れ、仕上がりが美しいなどのメリットがあります。
比較的安価で、乾きが早いこともウレタン塗料の大きな特徴です。

ただし、どうしても作業中にはシンナー臭がするので、この点が使用するうえでの懸念点となっています。

車の塗装は4層から形成されている

車の塗装や塗料にはいろいろな種類がありますが、クリア塗装を含めると一般的には車の塗装は4層から形成されています。
ここでは、4層を形成する工程を紹介します。

下地処理

下地処理は、防錆効果のある塗料を塗装した後に、下地と塗装の密着性を高めるために行われます。
この段階ではボディの色は黒やグレーです。

中塗り

中塗りは、この次に行う上塗りの補強を目的として行われる塗装です。
例外もありますが、基本的には実際のボディの色と同じ塗料が使用されます。

上塗り

上塗りの段階で、実際のボディカラーが完成します。
ソリッド塗装の単色の場合は、上塗りで塗装の全工程が終了となります。

クリア塗装

クリア塗装とは、車のボディに光沢をもたせることと、塗装を保護する目的で行われます。
車塗装の最後の工程であり、実際のボディカラーの上に透明なクリア塗装を施します。

まとめ

車の塗装には「メタリック」「ソリッド」「パール」の3種類があり、それらに使われる塗料は原色だけでも120種類を超えると言われています。
さらに、車の塗装は基本的に4層から形成されていて、それぞれの工程をきちんと理解する必要もありますし、塗装の種類によっても塗り方が異なります。

最近ではメタリックとパールの両方を含んだボディカラーも増えていて、塗装を行うには知識やテクニックも必要になります。
素人が安易に塗装を行えば、単色のソリッドだとしても失敗する可能性は極めて高いので、車の塗装は無理をしないでプロに任せることをおすすめします。

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