車を運転していれば、常に事故に注意をしなくてはいけません。
しかし、どんなに気をつけていても車を傷つけてしまうことはよくあること。
そんな時、多少の傷であれば市販の缶スプレーで塗装をし、傷を隠すことができます。
ここではスプレーを使用してDIYで愛車の塗装を行う方法と、その際の注意点などを紹介しています。
目次
車の塗装を缶スプレーで行う際のデメリットと注意点
カーショップやホームセンターに行けば、車の傷を隠すための塗装用のスプレーが販売されていて、それを使えば安く簡単に愛車をキレイにすることができます。
スプレーであれば、手軽で比較的広範囲に使えるメリットなどがありますが、使用するデメリットや作業をするうえでの注意点などもいろいろあります。
缶スプレーで塗装するデメリット
車を補修する道具にはタッチペンなどもあって、それを使えば細かい調整を行うことができます。
スプレーの場合、広範囲に塗装できますが、細かい傷を隠すのには不向きです。
また、スプレーだと液垂れがしやすく色ムラもできやすいため、使い方をきちんとマスターしないと作業が難しいというデメリットもあります。
はじめての場合は、車に塗装を行う前に十分な練習をしてから本番に臨みましょう。
塗装を行う時の注意点
以下でも詳しく紹介しますが、車の塗装をスプレーで行うためには他にもいろいろな道具が必要となり、工程も意外に多いのが現実です。
「傷にちょっとスプレーをすれば終了」ではありませんし、作業をする前の下準備も必要になります。
そのため、スプレーを使用した塗装作業には十分な時間を確保しておく必要があります。
くれぐれも、あまり時間がない時には作業を行わないようにしてください。
缶スプレーで塗装を行う時には、天候にも注意が必要です。
雨の日はもちろん、風の強い日や湿気が多い日も成功率が下がってしまいます。
風のない晴れた日に作業を行うことはおすすめですが、炎天下では車体が熱くなりすぎて塗料の馴染みが悪くなるので、その場合は日陰などを選んでください。
車の塗装に必要な道具とは
缶スプレーの他にも、車の塗装には様々な道具が必要となります。
新聞紙やマスキングテープなどは、塗料が別の部分につかないようにするための養生材として使用します。
その他にも「耐水ペーパー」「シリコンオフ」「プラサフ」「ボカシ剤」「クリアスプレー」などを用意しなくてはいけません。
耐水ペーパー
耐水ペーパーとはヤスリのようなもので、傷を滑らかにするために使用します。
80番から100番、200番などの多くの番手が用意されていて、番手が大きくなるほど目が細かくなります。
シリコンオフ
シリコンオフとは、塗装面の汚れや油分などを除去するために使用するスプレーです。
シリコンオフを使用しない場合と使用した場合では、仕上がりの輝きが大きく異なります。
プラサフ
プラサフとは、車体と塗料を密着させるための下地になるものです。
これを使用しないと、塗料が乾いた時にひび割れを起こす可能性を高めてしまいます。
ボカシ剤
ボカシ剤は、スプレー塗装を行う前後に欠かすことがないアイテム。
古い塗装面との境目を、その名の通りにボカシて分かりにくくしてくれます。
クリアスプレー
クリアスプレーは、スプレーが終わった後に仕上げに使用するコーティング剤です。
車の表面をピカピカにする効果もあります。
車の塗装を行う方法・コツ
車の塗装をスプレーで行うためには、多くの工程を踏む必要があります。
1つでも工程を省いてしまえば、仕上がりがまったく違うものになってしまいます。
洗車
まずは車の表面をキレイに洗いましょう。
もちろん、車内は汚れたままでもOKです。
耐水ペーパーでの研磨
丁寧に車体の洗車をしたら、粗めの耐水ペーパーを使用して、傷口を整えてください。
この際に使用する番手は、600番程度がおすすめです。
養生
新聞紙とマスキングテープなどを使用して、鍵穴やドアノブなどをしっかり養生してください。
シリコンオフで汚れや油分を除去
シリコンオフで汚れや油分をしっかり除去してください。
仕上がりをピカピカにするためにはとても大切な作業です。
プラサフの吹き付け
車の塗装は下地づくりがとても重要です。
一度に吹き付けるのではなく、薄く吹き付けて重ね塗りするのがコツです。
ボカシ剤の吹き付け
スプレーの前のボカシ剤は、実際に塗装する面よりも広めに吹き付けましょう。
ただし、吹き付けしすぎると液垂れを起こしてしまうので、少しずつ吹き付けるのがコツです。
缶スプレーで塗装を行う
ここでいよいよ缶スプレーが登場します。
できるだけムラをつくらないように、薄く塗り重ねていくのがコツです。
丁寧にたっぷり使用することがポイントとなります。
クリアスプレーの吹き付け
缶スプレーで塗装が完了して2~5分以内に、クリアスプレーを吹き付けます。
こちらも3~5回程度塗り重ねて、表面をピカピカにしてください。
ボカシ剤で最終調整
クリアスプレーをして1~2分以内に、最終調整としてボカシ剤を使用します。
色ムラを防止する目的で、まんべんなく滑らかにしてください。
まとめ
多少の傷が大切な車についてしまった場合は、市販の缶スプレーと、ここで紹介したいくつかの道具を使用すれば、DIYでもキレイに塗装をして傷を隠すことは可能です。
ただし、この手の作業に慣れていない場合や手先が器用でない方などには、ちょっとした傷だとしても自分で完璧に補修することは予想以上に難しいものです。
さらに、キレイに仕上げるには様々なコツや注意点があります。
たとえ手先が器用でこれまでDIYによりいろいろな作業を行ってきた経験がある方でも、凹みがあったり傷の範囲が広かったりする場合は、缶スプレーでは手に負えません。
したがって、自分のスキルや傷の状態をきちんと把握して、無理をしないで、自動車修理工場やディラーなどのプロに任せることをおすすめします。