車のこすり傷の修理とは?内容や修理代の相場をチェック

  1. 車修理

安全運転を心がけている人でも、一度くらいは車にこすり傷を作ってしまった経験を持つことでしょう。
こすり傷といえばコンパウンドで傷を目立たなくするセルフケアを行う方も多くいますが、コンパウンドでは対応できない傷もあります。
車のこすり傷の修理の方法と修理代の相場について確認していきましょう。

コンパウンドでの修理は表面部分のみ

車の表面に塗られた塗装は、いくつもの色が塗り重ねられています。
金属板の上にさび止めや下地、そして車の塗装色が塗られ、最後にクリア層といって透明の皮膜が塗り重ねられています。

DIYで市販のコンパウンドを使い、こすり傷の修理が行えるのは、クリア層や塗装色など塗装面でも表面が削れるくらいのごく浅いこすり傷までです。
これより深い層まで傷が入ってしまっている場合、コンパウンドで磨くと傷を広げる結果をもたらします。

またコンパウンドを使ったDIYによるセルフケアは、数種類のコンパウンドの使い分けが必要で、傷が目立たないようにする技術も必要となります。
コンパウンドはそもそも研磨剤なので、傷をなくすのではなく傷の周りのクリア層や塗装面を削り取ることで傷を目立たなくするものです。
やりすぎると塗装面を傷つけてしまいますし、かえって傷周囲に修理跡ができてしまう可能性もあります。
ワックス洗車を行った後にも目立つようなこすり傷の場合には、DIYによるコンパウンドによる修理は素人が行うのは難しい部分があります。

こすり傷の修理用法

整備工場などでこすり傷を修理する場合の修理方法は、傷の深さにより変わってきます。
樹脂や金属面まで見えているような深いこすり傷の場合、傷をパテで埋める作業を行い、余分なパテを研磨剤で取り除き、さび止め、下地、塗装色、クリア層と色を塗り重ねる塗装を行います。
こすり傷だけではなく凹みなどもある場合には、凹みを均す板金も行うことがあります。

傷の度合いを判断する

まずは洗車を行い傷の度合いを判断していきます。
凹みなどもある場合には板金が必要となり、凹みがない場合でも傷の深さをチェックしてパテ埋めが必要かを確認します。

凹みがある場合は板金

こすり傷と共に凹みもある場合には板金を行います。
金槌などで凹みを打ち出し平らに均します。

パテ埋めをして傷を均す

深い傷が入っている場合は、傷を埋めるためにパテを塗りこみます。
パテ埋め作業は熟練の技術が必要となります。

研磨を行う

パテ埋め後は周りとの段差を均すために研磨作業を行います。

塗装を行う

傷による凹みが均されたら塗装を行います。
塗装はさび止め、下地、ボディカラーの塗布、クリア層と最低でも4回の重ね塗りを行います。

コンパウンドによる研磨と脱脂

塗装後はピカピカに仕上げるためにコンパウンドによる研磨を行い、さらに不要な油分を取り除く脱脂も行います。

バンパーにできたこすり傷の修理

衝撃を吸収する目的をもつバンパーは、車の中でもこすり傷ができやすい部分です。
万が一の場合は壊れることで車本体に与えられるダメージを減らす役割を持つバンパーは、樹脂で作られていることが多いパーツですよね。
このようなバンパーにできたこすり傷の場合、手のひらサイズくらいなら15,000~35,000円程度というのが修理料金の目安となります。

バンパーも傷が深い場合いはパテ埋め作業が必要となるため、修理費用が高くなる傾向があります。
場合によっては修理ではなくバンパーを交換してしまったほうが割安になることがあります。
バンパー交換は部品自体の価格である50,000円程度に、プラス交換工賃がかかるため100,000円ほどですが、傷が広範囲になるとそれだけ修理費用がかさみます。

フェンダーにできたこすり傷の修理

フェンダーというのは、タイヤ周りのパーツです。
タイヤ周りということもあり、バンパーに次いでこすり傷ができやすい部分とも言えます。
バンパーに比べるとフェンダーは構造がやや複雑なので、修理費用はバンパーよりは高めです。
手のひらサイズくらいで30,000~60,000円程度が相場となります。
フロントフェンダーの傷が広範囲にわたる場合には交換することがあります。

部品代は30,000~50,000円程度ですが、取り外すときにフロントバンパーやヘッドライトなどの脱着が必要になるため、塗装を含め100,000~200,000円程の費用が掛かるケースがあります。

リアフェンダーは溶接で取り付けられているパーツなので、交換となるとかなり高額になります。
こすり傷であればよほどのことがない限り交換となることはないでしょう。

ドアにできたこすり傷の修理

ドアの開閉時や衣類の擦れ、バックなどがぶつかるなどでこすり傷ができやすい部分がドア部分でしょう。
浅いこすり傷なら手のひらサイズで30,000~60,000円程度が相場となります。
もし傷だけではなく凹みなどがある場合には、板金も必要になるため、さらに修理費用は上がります。
ドアの場合も、傷が深い場合や広範囲にわたる場合には、修理を行うより交換してしまったほうが割安になることがあります。
修理費用が100,000円を上回るようでしたら、交換の方が割安に感じるかもしれません。
ドアがカーボンやアルミで作られている場合は、凹みがある場合は板金が行えないため交換になることがあります。
板金が必要な傷かどうかで修理費用が大きく変わります。

まとめ

こすり傷の修理はDIYで行うと逆に修理跡が目立ってしまい、かえって傷自体も目立つ結果に陥ることがあります。

一方、整備工場で行われる丁寧な作業は、修理費用が掛かりますがキレイに仕上がります。
傷はそのままにしてしまうと金属部分にサビが起こり、部品そのものを交換しなければならないといった余計な出費が起こる危険性もあるものです。

こすり傷だからと思わずに、整備工場での板金塗装を行うと安心ですよ。

関連記事