コーティング

ガラスコーティング後にワックスを上塗りしても大丈夫?

ワックスはボディ塗装保護のもっとも古典的なコーティング剤。
一方、ガラスコーティングは技術の最先端。
この組み合わせ、相反する時もあれば効果的な場合もあります。

ガラスコーティング後のワックス上塗りを検証しましよう。

ワックス上塗りで得られる効果とは?

プロが施工するガラスコーティングは現在、ボディ塗装保護において最先端、最強です。
主成分はガラスの原料となるケイ素。
硬度が高い被膜と滑らかな表面は、ボディ塗装に深みのある艶と輝きを与えます。
この上にワックスを塗るならば、相当の目的が必要ですね。

たとえばコーティングをさらに保護すること。
ガラスコーティングの持続期間は保管状況によって変わりますが、2〜3年。
まったく劣化しないわけではありません。
劣化を少しでも遅らせる目的であれば、ワックスの上塗りは有効な手段となります。

ウォータースポットによるダメージの防止にも効果的です。
撥水性のガラスコーティングは細かい水玉を作るのが特徴。
いかにも「コーティングしてあります!」感があって、ユーザーの満足度を高めてくれます。

しかし、この水玉がコーティングにダメージを与えることもあるのです。
水玉がレンズの役割をして表面にシミを作ってしまうと、カーシャンプーでも落ちません。
ワックスが塗ってあれば、コーティングに直接シミができるのを防げます。

それからワックスによってはガラスコーティング以上の艶や輝きが得られる場合もあります。
あくまで、場合によっては。
むしろ、個人の見解部分が大きいといえます。
もちろん、その作業で本人の満足度が高まるなら、十分効果があるといえるでしょう。

コーティングを傷めない品質を選ぶ

以上の説明のように、ガラスコーティングにワックスを上塗りする効果はボディの保護。
艶や輝きに関しては現状維持と思った方が賢明です。
むしろ、ワックスの上塗りに関しては注意点がいろいろあることを想定しておきましょう。

最初はワックスの種類。
カーショップに行くとワックスが山のように陳列されています。
固形や半練り、液状タイプ。
汚れを落とすためのコンパウンド入りもあります。
当然、値段もピンきりですね。

購入する際は比較的価格が高いノンコンパウンドの天然系を選んでください。
比較的安いジェル状や液状タイプは石油系が主成分。
艶出しには効果が得られますが、ガラスコーティングを傷めることがあります。
その点、天然系はカルナバロウなど植物性油脂を使っているので比較的安全です。

それからワックスを塗る時期。
プロによる施工はガラスコーティング塗布後、しっかりと乾燥させることが工程の特徴。

しかし、中には完全乾燥まで1ヶ月を要する種類もあります。
完全乾燥前のワックス上塗りは細かな傷の原因。
最低、1ヶ月はワックス上塗りを我慢しましょう。

ワックスは薄く伸ばして塗るのがコツ

ワックスを上塗りする際にも注意が必要です。

まずは洗車。
ボディがきれいに見えても細かなホコリやチリは付着しています。
いきなりワックスを塗るとこれらは被膜の間に閉じ込められてしまいます。
ワックス塗りの前よりもボディが汚く見えては効果半減。
またワックス塗りの作業でホコリやチリが細かい傷の原因になることも。
保護のつもりが逆効果になっては作業の意味がありません。

ガラスコーティングのメリットは洗車がカンタンなこと。
水洗いで表面の汚れを流し落としてから塗布作業に入ってください。

次に拭き取り。
天然系の固形ワックスは完全に乾かすことで高い被膜効果が得られます。
しかし、乾けば当然、固くなりますよね。
厚めに塗っても効果は同じ、かえって拭き取り作業が大変になるだけです。
ワックスは薄く伸ばすことが作業効率を上げるコツです。
ドアやボンネットなどのチリ(外板パーツの隙間)はとくに拭き残しやすいところ。
白い固まりは小さくても目立ちます。
手間をかけて、きれいに拭き取りましょう。

劣化が始まったらワックスの併用で艶出し

ワックスの上塗りで、ガラスコーティング以上の艶や輝きを出すことはほとんど不可能でしょう。
もちろん、例外もあります。
それはガラスコーティングが劣化し始めた時。
持続期間は2〜3年であっても、一気にガラスコーティングが剥がれるわけではありません。
経年で少しずつ劣化していきます。

ガラスコーティングは、その寿命と同時に再施工するのがベスト。
しかし再施工するまでの間、艶や輝きが落ちてきたと感じる人もいるはず。
そんな時、ワックスの併用は効果を発揮します。
再施工までの中継ぎメンテナンスですね。

とはいえ、ガラスコーティング劣化の判断は目に見えて分かるものではありません。
劣化ではなく表面に汚れがこびりつき、光沢が減少している場合もあります。
プロの施工はガラスコーティングだけではありません。
専用のメンテナンスクリーナーを使った汚れの除去も行っているのです。

ワックスの上塗りは手間のかかる作業。
しかも表面が柔らかいので汚れがつきやすくなります。
デメリットを考えれば、専用のメンテナンスクリーナーを試す価値は十分にありますね。

劣化を感じたら、上塗りする前に一度、施工者へ相談してみることをおすすめします。