コーティング

コーティングの効果と維持(ガラスコーティング)

このページでは、コーティング剤の成分についてご紹介していきたいと思います。

コーティングの成分はポリマーとガラスに部類される

車のボディをコートするコーティング剤は、大きく分けるとポリマー系のものとガラス系の2種類に分類されます。ここではワックスの成分なども紹介し、コーティングとの違いを説明していきましょう。

ワックスの成分

一般的な固形のワックスは溶剤をベースとした油性で、それに光沢やつやを出すためのカルナバロウを加えているものなどが大半です。違いはその程度で、成分としてはとてもシンプルになっています。

ポリマーコーティングの成分

一方、コーティングは樹脂であるポリマーとガラス素材がメインの成分となります。自動車用のポリマーコーティングは、熱可塑性樹脂と呼ばれるものが用いられます。吸着力を高め、撥水などの効果を上げます。樹脂はシリコン、フッ素などで構成されています。

シリコンポリマー (コーティング)

シリコンは耐熱性、撥水性に特に優れているのが特徴です。シリコンには様々な性能、種類があり、値段も幅広くなっています。シリコンといえばウインドーにつける皮膜が思いつくかもしれませんが、液体以外のシリコンもあります。

フッ素ポリマー (コーティング)

そしてもう一つのフッ素は、一昔前までのコーティング剤においてメインとなる材料でした。フッ素は何と言っても、シリコンを上回るほどの撥水性が特徴です。水はもちろんのこと泥や油までも弾くとして人気がありました。フッ素加工のフライパンは油を弾き、まんべんなくいきわたるかと思いますが、これが車のボディにも見られるということです。

フッ素系の難点

ただ、フッ素はボディに定着しにくいのが難点となっていました。強力に汚れを弾くということは、つけたいボディ部分に対しても溶剤自身を弾いてしまうということでもあります。そのためフッ素系のコーティングをボディに定着させるためには、プロの技術とノウハウがとても大切でした。

次世代の溶剤、ガラスコーティング

上記でご紹介したように、一世代前は、ポリマー系のコーティングが全盛でした。ポリマーは樹脂で構成されているため、定着の難易度の問題はあるもののボディにコートさせやすい素材だったからです。しかし樹脂は元来柔らかな素材であり、光沢性という面から見ると、決して満足できる素材であるとはいえません。そこで、硬質性に優れ光沢に深みがあるガラス系のコーティング剤が登場することになります。

ガラスコーティングの普及には課題もあった

実はポリマー系のコーティングが全盛のころから、ガラスを使ったコーティングは、業界内では望まれていたことでした。しかしガラスは非常に安定した素材であるため、溶かしたり扱ったりすることが難しい素材。ガラスを溶かすためには1,000度もの熱が必要なため、ボディにコートする際に「融解 → 定着」させることが課題でした。

「ゾル・ゲル法」の登場でガラスコーティングが身近に

扱いの難しいガラスを手軽に使用するためには、常温でガラスを溶かしたり固めたりする手順が必要になります。そこで各溶剤メーカーは、高温を使う以外にガラスを取り扱うことができる「ゾル・ゲル法」を使用し、この課題を解決するようになります。

「ゾル・ゲル法」とは?

牛乳は、水と油の成分がまじりあってできていますよね。このように相性の異なる成分を組み合わさることをコロイドといいます。ゾル・ゲル法は、簡単にいうと、このコロイドの性質を使って、ゾル(液体)⇒ ゲル状 ⇒ ガラス体を生み出す方法です。

ガラスコーティングが最高であるものの

愛車に対する接し方は、ヒトによって千差万別。週一回洗車するという、ヘビーな洗車好きもいれば、なるべく洗車はしいたくないけれど、愛車はキレイであってほしいと思う方。洗車は好きだけど、簡単・楽に済ませたい!とい方もいらっしゃることでしょう。
フッ素、シリコンのコーティングであれば撥水性がメインの売りとなり、カルナバであれば撥水とともに光沢のきれいさも売りになると思います。またその両方プラス、親水性も欲しいならガラスコーティングをチョイスする必要があります。

用途やシーンに合わせてコーティングを選ぼう

何が必要なのかを考えて、それに見合った効果を発揮してくれる成分はなにか?ワックスなのか?コーティング(ポリマー・ガラスコーティング)なのか?ということを知っておくと選ぶ際にとても便利ですし、自分に合ったものを素早く、外すことなく探せるかと思います。